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Vespa 125 ET3 Primavera
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キャブレターのOH (2004.4/1)


ハルウララという競走馬をボクは知らなかった。人気だそうだ。ウチの奥さんをエライと思った。知っていたのだ。聞くところでは1勝もしていないらしい。優勝したことがないから有名なのか、連戦常にビリで人気なのか? 競馬界はまったくわからないが、このような馬は他に居ないのだろうか? たくさんいくらでも居るはずだと思う。

出馬すべてビリならば、自分を見るようでこれはすごいと思う。どうやらそうでもないらしかった。そんなことよりは、ET3のキャブのほうが大事だ。なかなか時間がなく、手をつけられなかったデロルトのキャブを分解してみる。ET3はSHB19/19。構造は16/16の50sと同タイプ。


エアクリBOXを開ける。2個のナットと割りピンで固定されていた。割りピンと言うのがなんともおもしろい。こうして見ると、空気の流入通路は遊園地の迷路のよう。
下のお皿に吹き返しのオイルが溜まっていたが、内部の汚れはほとんど皆無。エアクリの金網も思ったよりキレイ。1/ 3 ほどカット予定でいる。
燃料をキャブに直接供給する部分。わかるだろうか? フィルターには購入時に掃除したのに細かいゴミがすでにある。なんともはや。形状は50sとは違う。使用後のビーカーをティシュで拭き取っている方は要注意。
アイドルポートはインマニ側に設けられている。エアースクリュー(ミクスチュア)を開けると混合流量が増して薄くなり、絞め込むと濃くなるタイプのキャブだ。ガソリンの濃度はメインジェットのほう。
サクサクと分解する。メインジェットは#76。これは純正品。フロートレベル調整は構造的に不可能。
外せるパーツは全て外す。

各ジェット類や外せるパーツは全て分解してみる。エアースクリューは外す前に何回転戻してあるかをいったん奥まで締め込み、記憶しておく。マニュアルで戻し回数を調べると1と1/2回転前後。ベスパに限らず、ほとんどのクルマ・バイクがこの数値だ。

アイドリング回転はエアースクリューを微妙に回転させ、「1番高く安定している位置を探る・・・」こととなっている。「高く安定しているところ」のセレモニーが素人には大変難しい。五感を研ぎ澄ませ聞き分けるのだが、ボクは自分が鈍感なことを差し引いても そのものでも職人技の部分だと思う。

ボクのクルマは今では化石近い? CVキャブを2連装したツインキャブだ。インマニが左右キャブで繋がっているため、シンクロテスターが使用NG。どうやって同調を取っているのか? と言えば、ホース(航空機用のイヤホーン)で左右の吸入音を聞きわける最も古典的な方法でやっている。

ベスパでこの方法が使えるのか、またインマニから負圧を取る方法がOKかどうかはわからない。と言うより、鈍感な耳でエアースクリューを1/4づつ回しても、「音」の変化を捕らえることができなかった。やっぱり鈍感。規定数の1と1/2回転のままでセットしている。性能的にも変化は起こらない。

前おきが長くなってしまった。オマケとしてエアースクリューをめいいっぱい絞め込んでみる。エンジンはかからない。いや、非常にかかりにくくなるようだ。かかってもスロットルを戻したとたん、直滑降のようにストールする。今回のアイドル不調はこの症状ではなく、死にそうになりやがてストールだった。スローがかろうじて効いている感じなのだ。


問題のスロージェット。通路穴は1番下のを含め、左右で3個開いている。左右穴はΦ1mm程もあるため詰ることはないと思うが、下のほうはコンマ数ミリと極小。詰り易いのはここだろう。
※写真に失敗。これは50sの物。サイズが異なる以外は同じ。
このパーツのみ新品と交換。潜水艦とはよく言ったもんだ。スロットルポンプ(バルブ)が組み込まれたケースカバーのパッキンがこのカタチ。


50sの時もそうだったが、内部は非常にキレイ。フロート室にはスラッジやゴミもなかった。ブレーキクリーナーで通路という通路を(親の仇のように)掃除する。目に入らぬよう注意が必要。その後、コンプレッサーの圧で吹き飛ばしておいた。

キャブのサイドを見ていただきたい。通路はどことどこが繋がっているかの出っ張りがある。ブレーキクリーナーで吹けば通じるのでわかると思う。

原因と思えたスロージェットは、一応キレイなウエスの上で掃除したところ、他の汚れもこびリ落ち、ゴミを噛んでいたのかが判別できなかった。見た目では詰まっていた様子がなさそうだが、しつこく掃除する。やってはいけない細い真鍮線でダメ押しもする。

外してあるスロージェットをしげしげと観察。なるほど、通路穴にゴミが噛み、燃料を吸い上げられなくなればストールするじゃない・・・か。前出のめいいっぱい絞め込んだ時と同じだ。当たり前のことに感激したくなる。その後、キャブを戻した。


たぶんこれでストールはしないだろうと祈りつつ、キック3回ほどでかかった。おおお アイドルが力強いではないか。まったく違う。ものすごく安定している。信号ストップで右手に気を使わなくなったことが妙に嬉しかった。

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